NEWS
K-biz

22年度K-bizベーシックⅡ 受賞チーム発表!テーマは「書店の未来を考える-リアル店舗を活用した新規事業構想について-」

 経営学部では、1年次から必修の授業(K-bizベーシックⅠ・Ⅱ)でビジネスプランに挑戦します。春学期(K-bizベーシックⅠ)は、経営、商学、会計、情報の4分野の基礎知識を学びながら、個々人が飲食店のビジネスプランを立案します。秋学期(K-bizベーシックⅡ)は、サポ―ター企業から出題されたテーマについてチームで企画立案に取組みます。

 22年度のK-bizベーシックⅡでは、株式会社KADOKAWA(K-bizサポーター企業)と株式会社有隣堂にご協力を頂きました。今回のお題は、「書店の未来を考える-リアル店舗を活用した新規事業構想について-」でした。書店×異業種コラボでどのような「魅力的な場」が作れるか、1年生のみなさんは、色々な想像を巡らせてアイデアを検討し、自分たちのプランを練ったのではないかと思います。

 各クラスから選出された優秀プラン(計25点)について、㈱角川アスキー総合研究所の山本篤史氏と㈱有隣堂の松信健太郎氏とによって最終審査が行われ、その結果、以下の5チームが最優秀賞、特別賞に選ばれました。受賞チームのみなさん、おめでとうございます。

●最優秀賞

サブカル系企画展&オタク速成講座

担当教員

佐藤

メンバー

岩本萌花、小島美咲、立岡優貴、池盛雄真、加藤優太、寺島心佑

講評:松信氏(有隣堂)

誰しも一定程度の「オタク力」は持っていることを考えると良いコンセプト。
大規模なものから小規模なものまで応用が利く企画。

講評:山本氏(角川アスキー総研)

書店の方の「目利き力」をアピールするには絶好の機会
料金を流動的な形にしてバラエティ感を出す必要がある。

●有隣堂特別賞

本屋さんでの託児所

担当教員

メンバー

露木光、千田悠吾、鈴木さくら、池田菜緒

講評:松信氏(有隣堂)

保育施設と本を合体させるというアイデアは(新しくないが)大賛成。
書店は一般的に社会的信用があるので、親御さんにも安心して利用していただける。

●有隣堂特別賞

アートイベントブックショップ

担当教員

中村友紀

メンバー

尾崎日菜、堀内葵那、横田美帆

講評:松信氏(有隣堂)

「文化」という側面からすると、書店とアートは親和性が高い。
単なる「書店でのアート展」にならないような工夫を考案すれば、実現性が高まる。

●KADOKAWA特別賞

空港内で本が読めるブックポート

担当教員

越智(金曜Bクラス)

メンバー

古賀雅宗、仲泊涼太、西山さやか、林月花

講評:山本氏(角川アスキー総研)

ラインナップはスペース的に限定されるので旅の本に絞るなどすると魅力的。
国際線よりは国内線でのスモールスタートとして徐々に広げるスタンスが合っているような気がする。

●KADOKAWA特別賞

本×キャンプ

担当教員

吉村(月曜Aクラス)

メンバー

石下将勝、笹田明花、花田真衣子

講評:山本氏(角川アスキー総研)

事後の書籍購入に結びつける動機づけを強くしたい。
例えば朝食イベント+世界の朝食の本など、テーマ性を持たせるのもあり。

なお、審査の総評として以下のコメントを頂いております。

㈱有隣堂 松信健太郎様 より

すべてのご提案(企画)から、皆様の熱の入った討議や考察が繰り返されことが想像できました。またワクワクする内容も多くあり時間を忘れて拝見することができました。今回のテーマである「書店の未来を考える」ことは、かなり難しいお題ではなかったかと推測しております。なぜなら当事者である私たちも、未だ模索を続けている最中であり、その答えを見つけ出す事が出来ておりません。

またこのテーマに限らず、今世の中で何が起きているかを様々な視点から分析し策を講じて行くことは大変重要であります。既に学ばれているかも知れませんが、弊社では「SWOT分析」(強み・弱み・機会・脅威)というフレームワークを用いて「方向性や改善策」を探り出し戦略化しています。フレームワークは他にも数多くあります。事業計画の策定や何かの企画を立案する際に必ずお役に立つはずですので、これからぜひ学んでいただければと思います。

現代は物凄い勢いで様々なことが変化をしております。よって書店のみならず既存のビジネスモデルの多くが今後も通用するとは思っておりません。まさに変化の激しい時代です。ですから若い皆さんは既成概念や固定観念に縛られることなく、自由な発想をもって社会の課題と向き合って欲しいと、この授業を通じて改めて認識することができました。

㈱KADOKAWA山本篤史様(※所属は、㈱角川アスキー総合研究所) より

 全体的に多くの旬のキーワードが盛り込まれ、書店の新しい可能性を感じさせるプランを見ることができた。参加学生の皆さんの書店、さらに出版業界に対する視点は大変参考になるものであった。

企画はもちろん様々な切り口があり善し悪しの問題ではないことが大前提だが、新規の企画案について今後は以下を念頭に置くと良いのではと感じた。
・自分事として捉える=本当に自分がユーザーとして使うのか、使わないなら何を改善すべきなのかを考える
・先行するサービスとの明確な「違い」は何なのか?
・ターゲットは誰なのか、より具体的にイメージする(例えば「20~30代の男女が対象」のような表現は実質的には何も言っていないに等しい)
・本当に主張したいことは1シートでしっかり完結させる。「結局何が言いたいのか」を明確に(場合によってはハッタリも有効)