5月26日(金)、経営学会講演会において、コスモス・ベリーズ株式会社(本社:愛知県名古屋市名東区)の取締役社長である牧野達氏による、「まちの電気店と量販店が共生するビジネスシステムとローカルプラットフォームの展開」というテーマでの講演が行われました。当日は200名の学生が熱心に聴講しました。
牧野氏はまず、日本の人口動態や中小企業、国内の家電市場の現状や今後の流れについて説明。時代の変化に伴い、「何を売るか」で分類される「業種店」から、「どう売るか」で分類される「業態店」へと変革する時代になったと話します。 「昔は家電を購入するならまちの電気店で購入する、というようにその商品の専門店で購入していましたが、今では家電量販店で必要なものを揃えることができるようになりました。さらに現在の家電業界では、ニトリやIKEAなどの大企業も家電事業に参入し、ECサイト販売という業態も増加するなど、大きな変化の時代が始まっており、地域の電気店の販売シェアが減少しています」と牧野氏から、家電業界の変化に関する説明がありました。
このように低迷する地域の電気店(スモール)と量販店(スケール)が共生できるビジネス・システムを、コスモス・ベリーズではヤマダホールディングスとともに新たに創出しました。コスモス・ベリーズは、「豊栄家電」という地域の電気店が前身であり、現在は量販店並みの価格と品揃えを業種や規模に関係なく実現するサービスを展開しています。その仕組みは、まちの電気店や地域密着店がコスモス・ベリーズの加盟店になることで、ヤマダホールディングスのバイイングパワーにより低価格での仕入れを実現し、お客様の多様なニーズにお応えするための品揃えの不利性も払拭できるようになります。
また、コスモス・ベリーズでは、ローカルプラットフォームという概念を提唱。これは、地域のニーズに応えるために、加盟店同士が連携したり、他業種と協力したりすることで、地域社会に貢献する取り組みです。家電修理やリサイクルなどのアフターサービスや、家電を活用したイベントや教室などのコミュニティ活動を、コスモス・ベリーズが主体となって行っており、これらの活動は、消費者の満足度や信頼度を高めるだけでなく、地域経済や環境にも良い影響を与えるなど、地域社会に根ざしたサービスを提供し続けています。
講演の最後に牧野氏は、「若い世代が今まで以上に減少し、高齢化が進んだ社会では、よりコミュニティを重視した地域社会に貢献できる事業が重要になってきます。今日の講演を聞いて我々がどういったことをやっているのか知っていただき、将来を考えるきっかけとなってもらえればと思います。また大学での学びをおろそかにせず、色々なことを吸収しながら社会で活躍できる人間を目指してほしいです」と、学生たちへエールを贈りました。
講演に参加した経営学部3年の川村駿太さんは、「地域の電気店と大型量販店の共生、というビジネスシステムが面白く、また地域に貢献する企業としての姿勢が素晴らしいと思いました。私も地元が好きなので、地域に密着した事業に興味が湧き、今後の就職先を考える上で参考になりました。貴重な話が聞けて良かったです」と講演会の感想を口にしました。
関東学院大学では、今後も学生たちが将来を考えるきっかけとなる機会を提供していきます。