概要
ビジネスの現場の視点の獲得や、現在進行形の社会課題をテーマとした教育を推進するため、上場企業や横浜の地元企業など、多種多様な企業12社をサポーター企業として迎えた社会連携プラットフォーム「K-biz」を構築します。
「K-bizベーシック」や「専門ゼミナール」をはじめとした、経営学部の全ての教育活動をこのプラットフォーム上で展開することにより、ビジネスの理論と実践の融合した「生きた経営学」を学ぶ環境を整えます。
学びのプロセス
アクティブ・
チャレンジ
1年生も参加可能な企画提案コンペK-bizアクティブ・チャレンジ
K-bizアクティブ・チャレンジは、実践的な経営感覚を養うことを目標に2019年に新設されたコンペティションです。学生が個人あるいはチームで参加して企画提案をまとめ、その優劣を競い合います。
- 特徴1)サポーター企業から出題
- その企業の現状(経営に関わる状況や抱える課題)に絡めた実践的な課題が出されます。
- 特徴2)出題企業の担当者の前でプレゼン
- 出題した企業の方の前でプレゼンし、企画・提案に直接コメントやアドバイスを頂く機会があります。そうした経験を通じて現場の視点に立って発想することを学びます。
- 特徴3)経営学部所属であれば参加可能(学年・ゼミ・人数関係なし)
- ゼミの所属に関わらず、経営学部で学ぶ学生ならば誰でも自由に参加・挑戦することができます。
K-bizサポーター企業であるシチズン時計株式会社のご協力のもとで、第9回K-bizアクティブ・チャレンジの最終報告会が、2月7日(金)に関東学院大学横浜・関内キャンパスのテンネー記念ホールで開催されました。「第9回K-bizアクティブ・チャレンジ」は経営学部の学生を対象に実施され、25チームの応募の中から1次審査を通過した11チームが最終プレゼンテーションに臨みました。
シチズン時計は1918年に尚工舎時計研究所から時計の開発を始め、1924年には懐中時計第一号を完成させました。この懐中時計は、当時の東京都知事であった後藤新平氏により、「永く広く市民に愛されるように」という理念のもと「CITIZEN」と名付けられました。100年以上に及ぶものづくりの精神を「Better Starts Now」というブランドステートメントに込めて、より良いものを追い求める哲学で、世界中の人々をインスパイアする時計メーカーになることを目指しています。それは「どんな時であろうと、『今』をスタートだと考えて行動する限り、私たちは絶えずなにかをより良くしていけるのだ」という「今こそが未来をよりよくする瞬間なのだ」というシチズンの信念・哲学を表したものです。
今回の「第9回K-bizアクティブ・チャレンジ」は、CITIZEN x Better Starts Now的発想で新しいアイディアを創造し、ゴールは「時計が欲しい」から「CITIZENが欲しい」を実現させるという課題に対するソリューションとなる学生らしい若い感性で企画・提案が求められました。
当日は、時計事業本部商品企画センター長・執行役員 戸倉克輔様、時計事業本部事業企画センター宣伝部国内宣伝課課長 吉岡洋子様、経営企画部 持田真帆様、時計事業本部商品企画センター商品企画部第二企画課課長 平松恭典様に出席を賜り、「課題適合度」「説得力」「実現可能性」「社会的意義」「プレゼンテーション」の5項目により審査いただきました。
審査員のシチズン時計株式会社の戸倉克輔様からは「時計市場全体、シチズンの業績は高級品を中心に伸びているが、指摘されたように長期的には若者の時計離れの問題はある。今回、11チームの提案はターゲットを絞り込み、フレームワークを使いながら、さまざまな情報を集めており非常に刺激を受けた」とシチズンの社内でも共有されるとのコメントをいただきました。
経営学部教授でK-biz委員でもある岩崎達也教授からは、「今回はどのチームのプレゼンテーションもレベルが高かったと思う。入賞できなかったチームも自信を持って、今後も頑張って欲しい」と締めくくりました。
チーム名(所属ゼミナール) | 副賞 | |
最優秀賞 | じゃんぬだるく(小山ゼミナール) | シチズンより腕時計を贈呈 |
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優秀賞 | あんぽんたん(真保ゼミナール) | シチズンより腕時計を贈呈 |
チーム宮崎(佐藤ゼミナール) | ||
ライジングチーム(小山ゼミナール) | ||
学部長賞 | Anniversary Box(真保ゼミナール) | 大学よりアンダーアーマーTシャツを贈呈 |
Time of Birth(唐沢ゼミナール) |
最優秀賞を受賞した経営学部2年チーム「じゃんぬだるく」は、女性をターゲットとした「SAKURA プロジェクト」を考案。さくら色をコンセプトカラーとする時計店とカフェを組み合わせた複合店、ライフイベントが多く環境が変化しやすい女性に対するアプローチを目的とした会員制サービスなど、”Better Starts Now” ×女性を軸とした3つの企画を提案しました。
平塚さくらさん(経営学科2年)は「最優秀賞を受賞できて非常に嬉しく思います。社員の方へのインタビューで、”Better Starts Now”の特設サイトの活用に課題を抱えているというリアルな声が聞けたので、プロジェクトの企画に盛り込むことができました。プロジェクト名のSAKURAは、”Better Starts Now”のコンセプトと、スタートをイメージさせる桜を掛け合わせたもの。このプロジェクトをきっかけに女性たちを盛り上げられたら」とコメント。
重松彩音さん(同学科2年)は「40~50代ではどのようなライフイベントがあるのか、30代の女性が何をプレゼントされたら嬉しいのか、私自身と年齢が離れているため具体的にイメージすることが大変でした。最終報告会ではメンバーと多くの時間を費やして準備した分、緊張せずに挑むことができました。大人と関わる機会が少ない学生生活において、非常に貴重な経験となりました」と振り返ります。
岩澤永吉さん(同学科2年)は「企画提案というひとつのゴールに向けて、資料集めやヒアリング調査などの準備過程を経て、私自身が社会人として働くイメージを持つことができました。このK-bizでは、受賞という形で一つの成果を得られることはもちろん、うまくいかなかったチームにとっても、それまでにかけてきた時間や労力は、それぞれの糧になると思います。この経験を就職活動にも活かしていきたいです」とプロジェクトを通して学んだことを話しました。
今回はグローバル企業であるシチズン時計様のマーケティング戦略に関わる課題であり自由度も高く、学生にとっては難易度の高い、簡単に企画案が導き出せるものではなかったと思われます。問題設定から参加チームごとに委ねられた課題であったと言えます。量販店に赴いたり、本社のシチズンミュージアムを訪問したりと情報を自分たちの足と手を動かし、現実を見据えて企画を練り上げる帰納法的なアプローチや文献や公開されているデータから、演繹法的にソリューションを導き出すための仮説を立てるアプローチなど、参加チームごとに苦労しながら取り組めたことは大きな学びがあったと思います。
「K-bizアクティブ・チャレンジ」は、学生がサポーター企業様の課題に真摯に向き合うことから、その効果が現れます。2024年度も経営学部の学生が実践的に学ぶ、成長する機会として大いに利用してもらえるような課題をサポーター企業様のご協力を得て継続していきます。
プロジェクト
01 地産地消!マルシェ開催を通じて地元・三浦半島の魅力を発信!
K-bizマルシェ(with 京浜急行電鉄・京急百貨店)
K-bizマルシェは、2016年から三浦半島の魅力を学生の力で多くの人に紹介したいという思いから始まったプロジェクト。
年に数回、三浦市の高梨農園、横浜市金沢区の忠彦丸海苔などの地元の農園や漁港から野菜や海産物を学生が自ら仕入れ、販売を行います。京急電鉄、京急百貨店、提携先の方々と開催まで何度も打ち合わせを重ねて、アドバイスをもらいながら、京急電鉄上大岡駅改札前の京急百貨店催事スペースでのマルシェ開催まで日々奮闘しています。
02
崎陽軒とコラボして、
新たな横浜名物を開発・
販売する!
K-biz横浜手みやげプロジェクト
関東学院大学、崎陽軒、横浜ウォーカー(KADOKAWA)の3者がコラボして、「横浜の新名物」の創造を目指して進められているプロジェクト。
崎陽軒役員・社員の前でプレゼンテーション、商品開発のプロと打ち合わせを重ねて、「横浜で長く親しまれる、もちっとした食感のお菓子」というテーマの下、本学部の真保ゼミに所属する学生たちが提案した企画案が商品化されました。
03
実際の課題に、学生自らが調査をし、
PR方法を考える!
K-biz advance 三浦市観光PRプロジェクト「三浦へ行こう!」
三浦市への観光客(特にリピーター)を増加させることを目的とし、学生自ら、現地調査や撮影を行い、SNSへの投稿方法やPR方法、活用方法を一緒に考えていく。これまでの取り組みとは少々異なる、より実践的なプロジェクト。各チーム、三浦市の様々な観光地に足を運び、学生の新たな視点でPR方法を考え、プレゼンテーションを実施しました。
セミナー
多様なビジネスの実際を知る機会を
経営学部では、実務の第一線で活躍されている方々から学生が直接話をうかがう機会として「K-bizセミナー」を新入生のオリエンテーションなどの機会に定期的に開催しています。ビジネスの現場を肌で感じて学びにつなげてもらうことがセミナーの趣旨です。サポ―ター企業を中心に、様々な分野の方に講演いただいております。